鉄道友の会の会員の皆様そして関係の皆さま、新年明けましておめでとうございます。
本年も皆様方とって素晴らしい一年になりますことを心よりご祈念申し上げます。
昨年は地球温暖化の影響でこれまで経験したことがないような災害が発生したり、また、非常に厳しい夏の猛暑が長引いて体調を崩された方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
鉄道の世界では、ひところのコロナ禍による需要の停滞からの一定の回復が見られましたが、それをさらに盛り立てるように斬新で、かつ、新たな技術を採用した新型の車両が数多く産み出されたことは、我々鉄道をこよなく愛する者にとっては大変に嬉しいことであります。
一方で、昨年11月に横須賀線の横浜駅で発生した鉄道車両の撮影ファンと鉄道事業者の係員との間の深刻なトラブルはマスコミにも大きく報道され、それをきっかけに鉄道ファンに対して世間からは厳しい目を向けられております。これは鉄道を愛する者が鉄道の安全を脅かすといった極めて恥ずべき事態であると思います。
私自身の経験を思い浮かべますと、大好きな車両や珍しい車両に接したときについつい夢中になり過ぎて、鉄道では最も大切にしなければならない「安全の確保」を疎かにしがちになることが全く無いとは言えないのは、私だけではないでしょう。我々鉄道ファンは、鉄道から多くの喜びを享受しているため、本来はそれに対して「恩返し」をしなければならないにもかかわらず、それを「仇で返す」ようなことは絶対あってはなりません。
鉄道友の会の諸活動に関しても、試乗会や撮影会など鉄道事業者の理解と協力を得て現場において行われる活動については、まず第一に「安全の確保」が大前提です。ところが鉄道友の会の会則集やホームページをいくら探しても「安全」という言葉は一切出てきません。それは「安全の確保は当たり前だ」という理由からなのでしょうが、世間一般でこれだけ安全をないがしろにするような事案が報じられていることに鑑みると、鉄道友の会としても会則等に「鉄道趣味活動は安全の確保を大前提とする」などの文言を明記して、率先して襟を正す必要があるのではないかと考える次第です。会員の皆様方のご意見の集約を期待したいと思います。
今年の年頭は多少厳しいことを述べましたが、全国の鉄道を愛する人々がこれからも長く鉄道の趣味活動を続けられるようにするためにも、率先垂範することが70年の伝統を持つ鉄道友の会の使命でもあると思われます。
最後に、今年一年の皆様方のご多幸、ご健勝をお祈りするとともに、鉄道の趣味活動を心から楽しんで頂ければと思います。