今年で11回目を迎えた島秀雄優秀著作賞贈呈式が、2018年11月25日(日)12時30分より、アルカディア市ヶ谷(私学会館/東京都千代田区)にて開催されました。
島秀雄記念優秀著作賞は、鉄道に関わる優れた著作物または著作物に関わる功績を選定し、鉄道および鉄道文化の発展に寄与することを目的として2008年に創設された賞で、11回目となる2018年は、2015年~2017年の3年間に出版された書籍や達成された功績の中から下記の4件が選定されました。
■単行本部門(2件)
・名取紀之「紀州鉱山専用軌道」ネコ・パブリッシング(2017)
・KEMURI PRO.「阿里山森林鉄道」南軽出版局(2017)
■定期刊行物部門(1件)
・中山嘉彦「日本初の連節車京阪電気鉄道60型・びわこ号」(『レイル』No.103掲載)
■特別部門(1件)
・「釧路・根室の簡易軌道」(釧路市立博物館)の出版に対して
この贈呈式にはそれぞれの著作者の方、および出版社からご出席いただきました。
■単行本部門
名取紀之様、
KEMURIPRO.:下島啓亨様、井上一郎様、梅村正明様、片岡俊夫様、杉行夫様
■定期刊行物部門
中山嘉彦様
■特別部門
釧路市立博物館:石川孝織様
■出版社
(株)ネコ・パブリッシング:高橋一嘉様
南軽出版局 :松本典久様
(株)エリエイ/プレス・アイゼンバーン:前里孝様
当日は、列席者(受賞者、出版関係者、鉄道友の会関係者の合計39名)の紹介が行われた後、須田寬会長から「今回の受賞作品は、産業鉄道や廃止された鉄道など資料の乏しいテーマについて、丹念に調べた努力の跡がよくわかる作品が高く評価された。出版にあたられた方々も、これからも意義のある作品を出版して、鉄道文化を後世に伝えていただきたい。」旨の挨拶がありました。続いて、髙井薫平選考委員長から各受賞作品についての選考経過について報告があり、10名の委員からなる選考委員会を組織して審査を行ったこと、単行本部門から15作品、定期刊行物部門から5作品の推薦があったことなどの選考経緯の報告ののち、島賞に選ばれたそれぞれの作品の特徴と選評が紹介され「今回選ばれた作品は現場主義に徹した作品ばかりであり、まさに鉄道趣味の原点とも言うべき良いお手本となっている。」と総括されました。その後、各受賞者に対して表彰状と0系新幹線電車をデザインした表彰盾が須田会長から贈呈され、続いて受賞者を代表して下島啓享様より出版に至る経緯や、取材時の苦労話などについて披露され、「今後も鉄道の記録を残し続け、鉄道文化の発展に貢献したい。」とのご挨拶を頂きました。式典後は、昼食会を兼ねた懇親会が開催され、各受賞者より執筆時のエピソードなどをご披露いただき、和やかな雰囲気の中で14時30分頃に散会しました。