第60回となる2017年ブルーリボン賞に選定された九州旅客鉄道BEC819系電車(愛称DENCHA)への贈呈式が、12月3日(日)に直方車両センターで開催されました。
BEC819系は2016年3月から試運転を開始し、10月に筑豊本線の折尾~若松間で営業運転を開始しました。
贈呈式に先立って、中間駅から直方駅までの試乗会(列車番号 試9633M 中間発13時52分→直方着14時06分)が開催され、約50人の会員が乗車し、JR九州のご担当者の説明を聞きながら、電化区間ではありましたが、パンタグラフを下げて、バッテリーモードでの快適な走行を楽しみました。
贈呈式は、直方車両センター33番線庫内で、BEC819系01編成を目の前にして、ご来賓の方々、JR九州の幹部の方々および鉄道友の会の役員関係者の合計約25名が席に着き、その後方には30名の会員が集まり、14時30分から式典が始まりました。なお、先頭に取り付けられたヘッドマークは、九州支部会員の目代幸弘氏の手作りの物です。
まず須田会長から、「今日は、ちょうど60回目の記念すべき節目のブルーリボン賞贈呈式。受賞したBEC819系は、交流架線式の高性能な蓄電池電車として、非電化区間の新しい方式を提供した画期的な車両。また、素晴らしいデザインで、車両のイメージアップを図った車両である。JR九州は観光列車が全国的に注目を集めている中で、地域密着型の鉄道として、日常の通勤通学輸送にも力を入れていることが分かる、その象徴とも言える車両である。地域の足として、益々この車両が活躍して欲しい。」との挨拶がありました。
そして、選考委員会の加藤委員長からは、「2016年1月から12月までにデビューした41車種の対象車両から、候補車両を絞り、会員の投票結果を参考に選考委員会で慎重な審議を行った結果、気動車を蓄電池電車に置き換えることにより、メンテナンス、省エネ、安全性の向上および環境負荷の低減などに大きく寄与していることなどで、BEC819系がブルーリボン賞に選定された。」との選考経過報告がありました。
来賓のご祝辞として、BEC819系のデザインを担当されたドーンデザイン研究所代表の水戸岡鋭治様、車両メーカーである日立製作所執行役常務の正井健太郎様、そして、鉄道総合研究所車両制御技術研究部長の山本貴光様の3人の方々からそれぞれ貴重なお話を頂きました。
次に、表彰状と記念盾の贈呈に移り、まず表彰状が須田会長からJR九州の青柳俊彦代表取締役社長へ、続いて記念盾が松田副会長から福永嘉之鉄道事業本部運輸部長へ手渡されました。そして、受賞者を代表して青柳社長から、BEC819系が実現するまでの歩みについて、ご自身が鉄道事業本部長をされていた時からの数々のエピソードを交えての詳細なお話の後「人と地球の未来にやさしい電車になるように今後も努力を続けていきたい。」と受賞の喜びと決意を述べられ、続いて、関係者によるテープカットが華やかに行われました。
その後、JR九州の青柳社長から、水戸岡鋭治様、正井健太郎様、山本貴光様に記念品が贈られ、最後にBEC819系の高らかな警笛が鳴り響きました。
式典終了後、車両を庫外に移動した後、車両の前で集合写真を撮影し、その後、編成写真の撮影会を行い、15時30分に予定どおり終了しました。今回は12月という時期ではありましたが、天候にも大変恵まれ、素晴らしい式典および行事を行うことができました。
今回の贈呈式の開催にあたり、多大なご配慮をいただきました九州旅客鉄道株式会社の関係者の皆様に、厚くお礼を申し上げます。