今年で10回目を迎える島秀雄優秀著作賞贈呈式が、2017年11月12日(日)12時30分より、アルカディア市ヶ谷(私学会館/東京都千代田区)にて開催されました。
島秀雄記念優秀著作賞は、鉄道に関わる優れた著作物または著作物に関わる功績を選定し、鉄道および鉄道文化の発展に寄与することを目的として2008年に創設された賞で、10回目となる2017年は、2014年~2016年の3年間に出版された書籍や達成された功績の中から下記の6件が選定されました。
■ 単行本部門(2件)
・中村尚史「海をわたる機関車」吉川弘文館(2016)
・大賀寿郎「路面電車発展史」戎光祥出版(2016)
■ 定期刊行物部門(1件)
・フリーランス・プロダクツ「ハイブリッド大全」(交友社『鉄道ファン』2016年1月号掲載)
■ 特別部門(3件)
・戦後日本の鉄道カラー写真に関する一連の著作に対して(ジェイ・ウォーリー・ヒギンズ)
・「昭和天皇御召列車全記録」の編集に対して(新潮社日本鉄道旅行地図帳編集部)
・「置戸森林鉄道」の出版に対して(橋爪実)
当日は、列席者(受賞者、出版関係者、鉄道友の会関係者の合計33名)の紹介が行われた後、須田寬会長から「今回の受賞作品は、鉄道の歴史の中で、貴重な文献として、また貴重な史料として将来に残すべきもので、鉄道文化の上でも価値がある。受賞された方々の今後のご活躍に期待するとともに、出版社がこうした貴重な記録を出版していただくことで作品として世に出ることになるので、出版社にも引き続きご支援をいただきたい。」旨の挨拶がありました。
続いて、髙井薫平選考委員長から各受賞作品についての選考経過について報告があり、10名の委員からなる選考委員会を組織して審査を行ったこと、単行本部門から19作品、定期刊行物部門から9作品の推薦があったことなどの経緯が説明され、島賞に選ばれたそれぞれの作品の概要と選評が報告されました。また、「今回の選定対象作品の中には、内容とタイトルが一致しない作品がいくつかあり、著者と編集者がよく相談して内容を表すにふさわしいタイトルを付けていただきたい。」という指摘がなされました。
その後、各受賞者に対して表彰状と0系新幹線電車をデザインした表彰盾が須田会長から贈呈され、続いて受賞者を代表して大賀寿郎様より「今回いただいた賞は大先輩の長年の功績に対して顕彰するという意味と、若手の奮起を促す意味と両方の意味があると思う。私の場合はすでに喜寿になり、長年にわたって趣味活動を続けてきたが、自分にとっては初めての著作なので、今回選ばれたことは奨励賞という意味では無いかと考え、身が引き締まる思いがする。趣味は年齢に関係ないので、これからも何らかの形で執筆活動を続けていきたい。」とのご挨拶を頂きました。
式典後は、昼食会を兼ねた懇親会が開催され、各受賞者より執筆時のエピソードなどを、また出版社の方々からは出版に至るまでの経緯などをご披露いただき、和やかな雰囲気の中で14時30分頃に散会しました。
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