2001年のブルーリボン賞は、有効投票総数4524票のうち,24%にあたる1085票を獲得した九州旅客鉄道(JR九州)の885系電車となりました。
九州旅客鉄道では、これまでに783系(ハイパーサルーン),787系(つばめ),883系(ソニック)と,個性的なデザインの特急用車両が登場し、いずれの車両もブルーリボン賞またはローレル賞を受賞しています。これらの集大成としてエクステリアやインテリア,技術等に検討を重ねて開発されたのが「白いかもめ」885系です。
885系は6両編成の制御付振子式車両で,博多〜長崎間を主体に運転されています。白色に塗装された革体はアルミ製で,車も白を基調として「白いかもめ」の印象を持たせ,これに本革の座席,木の床,照明等により、客室空間を演出しています。
このように他の輸送機関にない独自の価値感を目指した本物志向の特急用車両として,多くの鉄道愛好者の支持を得るとともに,一般の方々にも注目されていることも評価して,2001年のブルーリボン賞に選定しました。
岐阜市と美濃地方を結ぶ美濃町線の体質改善の一環として,バリアフリーや環境問題に配慮して製造されたのが,このモ800形電車です。
モ800形はボギー式1両単位の低床型路面電車で,台車や駆動装置は海外の特殊な構造のものではなく,実績のある従来構造のものをベースとしています。そのため,床は全低床ではなくスロープ付の部分低床ですが、これはコスト,サービス,メンテナンス等の検討結果から,総合的に有利と判断されて導入されたものです。
海外技術による連接方式の全低床路面電車とは異なる設計思想の新型路面電車として,とりわけ1両単位のボギー式低床車の方向性の一つとして、設計上の様々な制約の中で良くまとめられている点を評価し,ローレル賞に選定しました。
近畿日本鉄道(近鉄)の次世代通勤車の標準型として「環境・やさしさ」などを主眼に登場したのが,この3220系・5820系・9020系電車(愛称:シリーズ21)です。
「シリーズ21」は近鉄通勤車の21世紀のスタンダードとするべく、様々な用途の車両を同じ設計コンセプトに基づいて製作し,できる限り共通化が図られています。今回登場した3系列も,3220系は京都市交通局鳥丸線(地下鉄)乗入れ用,5820系は奈良・京都線用のL/Cカー9020系は奈良・京都線の一般用と,それぞれ用途が異なります。車体はアルミ製で,ボディカラーは新型車両をアピールするため淡いブラウンとホワイトに一新されています。車内天井の組立に意匠面に配慮しつつ工数を減少させた独自の工法を採用したり,ロングシートの一部に高齢者に配慮した「らくらくコーナー」を設置したことなども見逃せません。
このように、汎用性の高い設計コンセプトや通勤車としての完成度の高さを評価してローレル賞に選定しました。
鉄道名 | 形式・系列 | |
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1. | 日本貨物鉄道 | EF210形100番台電気機関車 |
2. | 西武鉄道 | 20000系電車 |
3. | 東日本旅客鉄道 | E751系電車 |
4. | 京福電気鉄道 | モハ5001形電車 |
5. | 名古屋鉄道 | モ800形電車 |
6. | 西日本旅客鉄道 | 700系7000番台新幹線電車(レールスター) |
7. | 近畿日本鉄道 | 3220・5820・9020系電車(シリーズ21) |
8. | 土佐電気鉄道 | 2000形電車 |
9. | 九州旅客鉄道 | 303系電車 |
10. | 九州旅客鉄道 | 885系電車(白いかもめ) |
11. | 長崎電気軌道 | 1800形電車 |
12. | 北海道旅客鉄道 | キハ261系気動車 |
13. | 由利高原鉄道 | YR2001形気動車 |
14. | 東日本旅客鉄道 | キハ48形気動車(びゅ−コースター風っ子) |
15. | 樽見鉄道 | ハイモ295形(315)気動車 |
16. | 北条鉄道 | フラワ2000形気動車 |
17. | 松浦鉄道 | MR500形気動車(レト□ン) |
18. | 北海道旅客鉄道 | ナハ29000形客車(バーベキューカー) |
19. | 東日本旅客鉄道 | オハ12形(1701)客車(SLばんえつ物語) |
20. | 天竜浜名湖鉄道 | THT101・201形客車(そよかぜ) |
21. | 近畿日本鉄道 | コ11形客車(ブル・ミケ) |
22. | 近畿日本鉄道 | コ15形客車(スイート・ドレミ) |