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阪神電気鉄道 5700系 ブルーリボン賞贈呈式を開催(2016.10.2) [2016.10.03]

2016年10月2日(日)、阪神電気鉄道5700系へのブルーリボン賞贈呈式が甲子園駅5番ホームにて須田寛当会会長、藤原崇起阪神電気鉄道代表取締役社長臨席のもと開催されました。

※写真をクリックすると大きな画像が表示されます。

10:18、5702を先頭にした5700系4両編成が、ジャズバンドが演奏する「線路は続くよどこまでも」が流れるなか、尼崎車庫から甲子園駅に到着。前面や側面ドア横には王冠をイメージしたデザインの「JET-SILVER 5700 2016ブルーリボン賞 受賞」というステッカーが貼られているのが目につきます。贈呈式は、10:30から開始されました。最初に須田寛会長より挨拶がありました。乗客数が多くカーブも多い都市型鉄道の阪神電鉄では高加減速性能が要求される普通列車用に「ジェットカー」を昭和30年代から開発してきたが、今度の「ジェット・シルバー」こと5700系は最新技術を応用していると同時に、車内設備やデザインにも注力している車両である。様々な意味で大都市圏型電車の一つのモデルになるものであり、そうしたことからブルーリボン賞を差し上げることとなった。阪神電気鉄道関係各位や車両メーカー各位のご努力のたまものであり、今後も活用を願いたい、との挨拶でした。

続いて、柚原誠副会長・選考委員長から選考報告がありました。報告では、当会による選考方法のあらましや14形式がノミネートされたこと、審査に当たっては利用のしやすさや環境対応性、新技術の有効活用、安全性信頼性など10項目を審査したことなどが紹介されました。また、阪神電気鉄道は駅間距離の短い路線特性のなか効率的な輸送のためにきめ細かなダイヤ設定をしているが、高速性能を重視した特急車両と、高加減速性能を重視した「ジェットカー」という普通車両を使い分けてダイヤを維持している。5700系は車体構造などを在来の1000系などと共通化するとともに昭和33年登場の初代ジェットカー以来の性能を継承しているうえ、車内に保温保冷用個別スイッチを設置、退避が多い運用に合わせた台車の採用など、安心安全に配慮した新技術を駆使した電車である。選考委員会ではこれらの事項を評価するとともに、営業開始以来期待通りの性能を発揮しており乗客にも好評であることなどからブルーリボン賞の贈呈を決定した。また、梅田~甲子園間は昭和33年4月30日に初代ジェットカー5001形がお披露目試運転をした区間であり、また阪神淡路大震災では早くも翌日の1月18日から運転再開がなされた区間でもある。5700系へのブルーリボン賞贈呈式が甲子園駅で開催されるのは誠に意義深いことと感じている、といった諸点について触れられました。

選考経過報告の後、須田会長から藤原崇起阪神電気鉄道代表取締役社長へ表彰状が、松田清宏副会長から岡田信阪神電気鉄道常務取締役へ表彰盾が手渡され、贈呈式は無事終了しました。その後、藤原崇起阪神電気鉄道代表取締役社長から挨拶がありました。挨拶では、初代ジェットカーが戦後の大量輸送に伴い開発されたこと、一方で時代の要求からお客様にくつろいでいただけるような電車を開発する余裕はなかなかなかったこと、2009年の阪神なんば線開業をきっかけに、阪神沿線活性化の機運が盛り上がり、キャッチフレーズの「”たいせつ”がギュッと。」を具現化するスタートがこの5700系電車であったことなどが語られました。5700系はお客様にとって安心で安全、快適な輸送を追及して生まれた車両であり、お年寄りから子供までが座りやすいシートを開発したり、様々な方の視認性を考えて各種掲示案内機器を一から考え直したり、退避時の車内保温保冷向上のために手動の扉開閉ボタンを設置したりもした。お客様のためにという原点に返った車両である。そうした点を評価いただいたことについて大変感謝しており、お客様のために頑張っていくきっかけにもなった、とのお言葉をいただきました。

藤原社長の挨拶の後はくす玉開披セレモニーが行われました。鉄道友の会側からは須田寛会長、久保敏副会長、柚原誠副会長・選考委員長、松田清宏副会長、曽根悟顧問、阪神電気鉄道側からは藤原崇起代表取締役社長、岡田信常務取締役、佐々木浩取締役、宮本和男車両部長、上田晋也運輸部長が登壇。くす玉が開披されると「祝 2016 5700系ブルーリボン賞 受賞」という垂れ幕が姿を現しました。

甲子園駅ホームに停車した5700系は、式典終了後は各地から参加の鉄道友の会会員を乗せた貸切列車となります。列車は甲子園駅から石屋川車庫へ向かい、車庫での撮影会の後に梅田まで戻ります。11:07、藤森義一甲子園駅長の出発合図の後、5700系は静かに本線へと滑り出しました。石屋川車庫に到着すると全員が下車して記念撮影の後、特別ステッカーを貼付した5700系の晴れ姿を各自で記録することができました。撮影会が終わると貸切列車は梅田へと向かいます。途中の芦屋駅付近では、特別に5700系の急加減速性能を体験させていただきました。あっという間に減速し、再び急加速する「ジェットカー」ならではの素晴らしい性能を体感できました。ほかに、車内では通常は客室に表示しない前面のドライブレコーダー画像を特別にドア上の表示器に表示していただき、“前面展望”も楽しめました。そうこうするうちに貸切試乗列車はほどなくして梅田に到着、記念行事は無事終了しました。

阪神電気鉄道では、7月頃から車内や駅で5700系ブルーリボン賞受賞のポスターや中吊りを多数掲出され、また駅の広告掲示ボードでも受賞記念画像を掲出するなど、今回のブルーリボン賞贈呈を大変盛り上げていただきました。また、今回の鉄道友の会行事は、申し込み多数で参加は抽選となりましたが、貴重な撮影会も含めて当会には格段のご配慮をいただきました。阪神電気鉄道関係各位には厚く御礼申し上げる次第です。

写真は特記以外情報担当(服部)撮影

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